福祉の対象は多様であり、災害被災者と並んで戦争犠牲者の救援も含まれます。とりわけ、戦後に海外に残された国民の帰国(引揚げ)を支援する援護行政は、戦後処理における重要な活動の一つでした。
2025年1月16日(木)、医療福祉経営学科1年生(25名)対象の演習科目「地域経営演習Ⅱ-F」(担当:岡本悦司教授、川島典子教授、星雅丈准教授)では、福祉の多面的な側面を学ぶとともに、歴史教育の一環として、戦後に旧ソ連シベリアに抑留された軍人・軍属の引揚げの受け入れ港となった舞鶴引揚記念館を訪問し、フィールドワークを実施しました。
記念館では、館長からシベリア抑留の歴史的背景について講義を受けた後、「語り部」と呼ばれるボランティアの方々から、抑留生活や極寒での過酷な労働について説明を受けました。舞鶴は軍港として長い歴史を有していますが、同時に、過酷な抑留を生き延びて帰国を果たした約60万人もの引揚者が最初に祖国の地を踏んだ場所でもあります。学生たちは、引揚記念館を訪れる中で、この歴史の重みを深くかみしめていました。