2024年9月23日(月)、本学地域防災研究センター及び本学地域経営学部・大門大朗研究室主催により地域防災連続セミナー「しなやかなまち福知山を目指して」の特別回「能登半島地震から10ヶ月を振り返る」を市民交流プラザふくちやま(福知山市)で開催しました。特別回として開催された本セミナーは第1部と第2部に分けられ、支援を行ったそれぞれの団体から活動報告が行われました。
第1部では「大学からの支援活動」をテーマに、大門准教授とボランティアとして参加した学生4名、大学公認団体でSTL採択プロジェクトでもある「七福ふっこう隊」が登壇しました。大門准教授からは今年1月から現在までの支援概要や地震発生直後と現在での支援内容の異なり、被災地リレーなどの説明があり、その後、参加時期の異なる4名の学生ボランティアから、家具の片付けや全国から集まった支援物資の整理・提供、支援を通して感じたことが発表されました。最後に七福ふっこう隊から、プロジェクト立ち上げの経緯や課題、目的、今後についての発表があり、気軽に相談できる機会の創出としてのイベント企画や継続的に実施することの重要性などが語られました。
第2部では「福知山からの支援活動」をテーマにストリートレコードカフェ研究会や福知山市社会福祉協議会、福知山市災害ボランティア部tocoff(トコフ)がそれぞれ活動報告を行いました。谷口知弘教授の取組み「レコードと珈琲 道端cafe」から派生し、市民によって結成されたストリートレコードカフェ研究会は、音楽やおしゃべりができる場の提供を行っており、その経緯説明や現地でレコード「高校三年生」を流し皆で歌っている様子を動画で解説しました。福知山市社会福祉協議会からは、過去に福知山市で発生した台風や豪雨被害により運営した災害ボランティアセンターのあゆみや、能登半島地震でボランティアバスを運行し、仮説住宅やキャンプ場、被害住宅での支援活動について報告が行われました。最後に福知山市役所 災害ボランティア部tocoffの説明では、行政だけでは行き届かない災害ボランティアとしてのきめ細やかな支援を学び、福知山市の災害対策に活かしたいという想いのもと、がれきの撤去やイベント開催に加え、被災者の心のケアや、高齢者の孤独死対策として見守り体制の構築について語られました。
第2部が終了し、各登壇者に感想や展望について尋ねられた際、本学の水口学地域防災研究センター長からは支援活動や今回の報告に対して感謝の意が表され、「一個人や一団体だけでは支援活動に限界があるかもしれないが、行政ならではの強み、ボランティアならではの強みがある。それぞれの得意分野を生かしながら、自身にできることを実践して欲しい。大学としても柔軟に支援を続けていきたい」との感想が述べられました。
掲載紙
- 両丹日日新聞 2024年9月30日(月)「支援活動と経験を発表 地域防災セミナー 能登での10ヵ月振り返る」3面