福知山公立大学大学院地域情報学研究科の開設記念フォーラムを開催しました

2024.09.02

2024年8月25日(日)、福知山公立大学大学院地域情報学研究科の開設記念フォーラムを市民交流プラザふくちやまで開催しました。開設記念フォーラムは「地域情報学の可能性」をテーマに、基調講演や大学院紹介、パネルディスカッションが行われ、総勢85名の参加者で会場は大いに賑わいました。


はじめに、川添信介学長が開会の挨拶で、 「地域情報学研究科は京都府北部で最初に開設された、極めてユニーク、そしてチャレンジングな性格を持つ大学院であると言える。地域情報学研究科の開設は、地域社会の発展に寄与することを中心的な目標とすることを明確にしている点が最大の特徴であり、そもそも誰のため・何のために学術や研究はあるのか、という問いに対するチャレンジングな答えと捉えることができ、本フォーラムのテーマにしている。学部と大学院が連携し、これまで以上に北近畿地域の現実的な社会課題や教育研究の充実を図り、地域課題に取組む人材を輩出していきたい」と述べました。

続いて、福知山市長の大橋一夫氏(代読:副市長 渡邊尚生氏)から、「地域創生の先端事例となる福知山モデルの実現において、大学院は無くてはならない存在である。地域企業との共同研究によるイノベーションの創出をはじめ、教育・福祉・防災・農業・観光など様々な分野で情報学が活用され、実践的な研究プロジェクトが課題解決をめざすものと大いに期待している」とお祝いの言葉をいただきました。

来賓である元文部科学省事務次官の義本博司氏からは、フォーラム前に福知山公立大学のキャンパスを見学したことにも触れられ、「旧校舎を引き継いでスタートした公立大学であったが、今日に至るまで発展し、環境を整えられていることに感銘した。大学は地域課題を解決するハブとしての役割が高まっているが、それを福知山モデルとして実行することが福知山公立大学の新しいミッションになるだろう」とお祝いのお言葉をいただきました。
(下写真:左から、川添信介学長・渡邊尚生氏・義本博司氏)

基調講演

文部科学省大学教育・入試課公立大学専門官の中田幸志氏による基調講演では、「高等教育政策の動向」をテーマに高等教育の現況や、高等教育のグランドデザイン、グランドデザインを踏まえた取り組み等についてお話しいただきました。中田氏は18歳人口が減りゆく現況の解説のあと、「人生100年ということで、“大学は人生で3回行くところになる。1回目は18歳から、2回目は30代~40代でリスキリングのため、3回目は50代~60代で新しい人生の一歩を踏み出すための学びを得る場所になる”とも言われている。そのような時代において、多様な学生に対する教育機会の創出には、多様な教員や学びの質の再構築が必要であり、特に2回目のところ=リスキリングについてのニーズは高まっている」とお話しいただきました。
(下写真:中田幸志氏)

大学院紹介

地域情報学研究科の倉本到研究科長から大学院の紹介が行われ、大学院の特徴である2つの学位(修士:情報学、修士:学術)の説明や、カリキュラム編成、研究テーマ、入試スケジュール等が紹介されました。その後、修士1年生の吉岡誠人さんから研究取組事例として、学部時代の研究と現在行っている「影を利用したプロジェクションマッピング」の実験動画や、今後の改善について発表があり、続いて同じく修士1年生の牧将太さんから「Max-plus代数を用いたヒープモデル」をテーマとする、荷物の保管や輸送、生産工程に使用されるヒープモデルの説明や課題についての発表がありました。
(下写真:左から、倉本到研究科長・吉岡誠人さん・牧将太さん)

パネルディスカッション

パネルディスカッションには元文部科学省事務次官の義本博司氏、文部科学省大学教育・入試課公立大学専門官の中田幸志氏、大阪成蹊大学学長の中村佳正氏、株式会社PILLAR執行役員・福知山事業所長の藤原優氏が登壇し、倉本到研究科長による司会のもと、討論テーマをもとに実施されました。

「北近畿地域における情報学の可能性について」では、中田氏から「全国的にも人口減少や高齢化社会が懸案事項である中、生活が豊かになることを前提とした情報学は今後の可能性を秘めており、全国に先駆けて取り組んでいただきたい」とのお言葉をいただき、藤原氏からは「DX化が進む昨今、いかに自動化を進めるかが課題となるため、これから情報学を学ばれる皆さんには大いに期待したい」とお言葉をいただきました。「福知山公立大学大学院・大学院生に期待すること」では、中村氏から「学部時代から地域での活躍を思い描いていれば、修士の2年間はより充実する。学部での科目でその種を植え育んでいってほしい」とのお言葉をいただきました。

まとめとして義本氏からは「台風による水害や防災、各地で起こる人手不足をどうするのか、自治体も企業も日頃の連携を密にし、構築しながら解決することが地域情報学を掲げる大学のミッションとして考えなければならないことだと思う。学部の地域協働型教育やPBLでキャッチしている課題を共有するような風通しの良さを心がけていただきたい」とのお言葉と、大学院生へのメッセージとして「研究成果は自身が思っているような用途以外にも活用方法があるかもしれない。他大学の学生との交流や、コンテスト・発表の機会を得て、日々研鑽に努めてほしい」とエールが送られました。
(下写真:左から、司会:倉本到研究科長、登壇者:義本博司氏・中田幸志氏・中村佳正氏・藤原優氏)


最後に、西田豊明副学長から閉会挨拶があり、フォーラムは盛況のうちに終了しました。

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