田中彰一郎助教(情報学部)の研究グループが発表した論文が、国際会議「IEEE World Congress on Computational Intelligence 2024 (WCCI2024)」においてBest Paper Awardを受賞しました。
2024年6月30日(日)~7月5日(金)に、米国電気電子学会計算知能部会「IEEE Computational Intelligence Society(CIS)」が主催する計算知能に関する国際会議「WCCI 2024」が日本の横浜で開催されました。
WCCIは、ニューラルネットワークに関する国際会議「International Joint Conference on Neural Networks (IJCNN)」、ファジィ理論に関する国際会議「IEEE International Conference on Fuzzy Systems (FUZZ-IEEE)」、進化計算に関する国際会議「IEEE Congress on Evolutionary Computation (IEEE CEC)」の3つを同時に開催する、計算知能情報分野では最大かつ権威ある国際会議です。
今回のBest Paper Awardは、進化計算に関する国際会議(IEEE CEC)に投稿された665件の論文のうち1件のみに与えられる賞で、7月3日(水)に授賞式が行われました。
●受賞者
Shoichiro Tanaka, Arnaud Liefooghe, Keiki Takadama, Hiroyuki Sato
-田中彰一郎助教(本学)、Arnaud Liefooghe教授(Université du Littoral Côte d’Opale:フランス)、高玉圭樹教授(東京大学)、佐藤寛之教授(電気通信大学)-
●発表題目
Designing Helper Objectives in Multi-objectivization
●論文の概要
最適化が難しい問題に対して、新たな目的関数を追加することで最適化の難しさを緩和する試みを議論したもので、筆頭著者である田中彰一郎助教がArnaud Liefooghe教授のもとに留学した際の成果をまとめたものです。
●田中助教の受賞コメント
日本初開催となるWCCI2024で名誉あるBest paper awardを受賞できたこと、心から嬉しく思います。
この論文は、多くの尊敬する先生方から深い影響を受けています。
新たな目的関数を追加して多目的最適化問題として問題を解く「多目的化」は、
私の博士課程時代の指導教官である佐藤寛之先生や高玉圭樹先生の教えに基づいています。
また、追加した目的関数を作成するのに用いた「近似ウォルシュ分解」は、フランス留学中にお世話になったArnaud Liefooghe先生やSebastien Verel先生、Bilel Derbel先生の手法を参考にしました。
先生方との交流や議論がなければ、この論文が誕生することはありませんでした。
今はただ、先生方や学会参加をサポートしてくださった福知山公立大学への感謝の気持ちでいっぱいです。