地域経営学部医療福祉経営学科・佐藤恵准教授のゼミに所属する山本七海さん(4年生)が「大学生の防災行動」に関する研究を行い、最終回となるゼミにおいてその成果を報告しました。
研究テーマ
災害発生時における大学生の早期避難と災害の事前対策の促進
研究目的
災害発生時における大学生の早期避難と災害の事前対策の促進策を作成すること。
研究内容
内閣府は、発災時の被害を減らすため「自助・共助・公助」を提唱しています。しかし、身体的な行動制限が想定される高齢者や、地域に不案内な留学生などの「災害弱者」が存在します。進学のために新たな地域に移り住む大学生も、不慣れな土地に暮らす災害弱者となり得ます。加えて、学生は災害に対する危機意識が比較的低く、災害への備えも不足する傾向にあるとされています。
そこで本研究では、本学学生とT大学S准教授の講義の受講学生を対象として、災害に対する意識・知識・行動に関するアンケート調査を実施し、発災時の大学生の早期避難と、災害の事前対策の促進策を検討しました。
研究成果
アンケート調査で得られた回答から「災害に対する意識と知識の高さが防災行動に影響すること」「個人がもつ楽観性・悲観性が事前対策の実施に影響すること」が分かりました。本学は、水害に関する危機意識を高める機会を学生に対して設けています。そのため、福知山市が「水害の街」だとの意識は浸透していましたが、災害全般に関する知識や事前対策は十分ではありませんでした。災害に対する行動を促進させるためには、ハザードマップを確認する時間や災害に対する備えを説明する機会の定期的な提供が望まれます。
福知山市は、転勤のための転入者が多いとされています。転勤者は、災害弱者とはみなされにくいかもしれません。しかし、地域に不案内であれば、学生と同様に災害弱者となり得ます。発災時の被害を低減するために、災害に対する意識の醸成や知識の提供が薦められます。