2023年8月22日(火)、NEXT産業創造プログラムの基礎科目「起業>コモングラウンド>AI」(担当:西田豊明副学長兼情報学部教授)の一環で、「NEXT地域AI起業構想2023に関わる討論会」を本学で実施しました。
「起業>コモングラウンド>AI」(本学学生15名受講)では、コモングラウンドを軸に生成AIを活用した起業をイメージすることを目的として、各コンセプトとつながりに関する講義を行った後、「地域社会に根差したビジネスをAIで強化する」をテーマに、4つのアイデアを考案しました。本討論会では、株式会社両丹日日新聞社メディア情報部の八木俊樹部長を招聘し、学生たちが考案したアイデアについて講評をいただきました。
発表内容(発表者:敬称略)
「地域密着型AIラジオ」チーム(地域経営学部3年 平田翔大、本馬惇平)
◆内容:チャットGPTをはじめとする汎用型AIをラジオに取り入れ、ラジオパーソナリティ、放送内容の精査、運営などを一括してAIが行う「地域密着型AIラジオ」について発表しました。
◆講評者コメント:AIラジオはこれから主流になっていくと考えています。リアルタイムで情報が流れるラジオにおいて、誤った情報が流れないよう、事前にAIにどのようなことを学習させすべきか考えておくことが重要です。
「障碍者が安心して働ける地域ビジネス」(地域経営学部3年 宇苗隼)
◆内容:障碍者が社会の一員として活動し、貢献することができる社会を実現するとともに、障碍者に対する社会的偏見やスティグマの解消し、障碍者を取り巻くコモングラウンドを強化することを目的としたAIを用いたビジネスプランを発表しました。
◆講評者コメント:個人差の大きい障碍に対応するためのビジネスは実現できれば、非常に社会的に有意義な福祉ビジネスだと思います。
「伝統産業・工芸の事業承継」チーム(地域経営学部4年 正木杏奈、3年 矢野秀真)
◆内容:地域に根差した企業の後継者不足が深刻化している現状を解決するため、伝統産業・伝統工芸に関する事業の承継をスムーズに行うためのAI活用方法について発表しました。
◆講評者コメント:伝統産業・伝統工芸の事業承継については、非常に社会的意義のあるビジネスだと思います。少しでも早くビジネスとして確立していただければと期待しています。
「コミュニティAIカフェ」チーム(地域経営学部3年 福井鈴菜、鍋島圭輔)
◆内容:人口減少や少子高齢化による地域コミュニティの希薄化が進んでいる現状を解消するため、AIを利用した人と人とのインフォーマルなコミュニティの場「コミュニティAIカフェ」について発表しました。
◆講評者コメント:新たなつながりを期待するターゲットを明確にし、事業内容を見直すことでより良いビジネスの形が見えてくると思います。
発表学生のコメント
- AI ラジオを運営するのは、私たち個⼈なのか放送局が⾏うのかという質問をいただき、⼈材不⾜に悩む放送局にAIラジオの仕組みをパッケージ化して販売するのが良いのではないかというブラッシュアップを行うことができました。本講評を通して、チーム内で解決できなかった課題点を別の視点から叩いていただいたことで、よりよい現実的な案に近づくことができたと思います。ありがとうございました。
- 私たちの障害者雇⽤を促進させるためのAI活⽤について、より詳細に検討を進めていって欲しいというコメントを受け、モチベーションを向上させることができました。メディア業界に⻑年勤めてる⽅からの、幅広い視野を活⽤した、新たな視点からの意⾒を伺うことができ、⾮常に貴重な体験になりました。
- 講評では、提案した伝統産業・⼯芸の事業承継ビジネスに対し、地域に根ざしたメディア視点での、町⼯場や中⼩企業への応⽤案やビジネスとして成⽴させるための助⾔をいただき、より具体的なAIを活⽤したビジネスを展望することができました。本講義で得た知識や経験を就職後の⼈⽣に幅広く活かしていきたいと思います。
- 講評を受け、⾃分達の案がまだまだ主観的にしか⾒えておらず、利⽤者や消費者の観点から客観的に⾒ることができていないと感じました。今後、地域に根ざす事業を考えるにあたって、コミュニティを形成している場を活⽤しながら、さらに考えを深めたいと思いました。