2023年7月1日(土)~2日(日)の2日間、一橋大学⼀橋講堂(東京都)で開催された「第26回日本医学英語教育学会学術集会」で、地域経営学部の岡本悦司教授が登壇しました。
岡本教授は「医学英語教育へのYouTube教材導入の授業評価への効果」と題して、本学地域経営学部医療福祉経営学科のカリキュラムや教育成果などについて発表しました。
本学会では、医学部等の理系学部による発表が大半であったため、文系学部において医学英語検定4級レベルの教育を実施していることに、フロアからは驚嘆の声と多くの質問が寄せられました。岡本教授は「半年間の講義だけで医学英語検定に合格することは困難だが、2年生までに履修する他の医学系科目でも英語を取り入れており、昨年度には本学初の医学英語検定3級の合格者が出るなどの成果があった」と発表を締めくくりました。
発表内容
本学地域経営学部医療福祉経営学科では、診療情報管理士の資格取得を目標としており、学生は受験資格取得に必要な18科目を3年生の前学期までに履修する。岡本教授はそのうち医学関連の9科目を担当しており、その一つ「医学英語」では診療情報管理士のレベルを超えて、医学英語検定4級(医学部卒業レベル)の内容で実施している。
コロナ禍の影響で2020~2021年度はZoomを用いた遠隔授業となったが、これを好機ととらえ、YouTube上で公開されており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を予言した内容だと評判になった「医学映画」を教材に取り入れ、映画を楽しみつつ生の医学英会話を学ぶことを試みた。
本学では全科目について15項目からなる授業評価を実施しており、「医学英語」において、映画教材無しの対面授業(2019年度)、映画教材有りの遠隔授業(2020~2021年度)、そして映画教材有りの対面授業(2022年度)の4年間分の授業評価結果を基に、映画教材の有無や授業形態と授業評価との関連を分析した。
学生による全体評価(5点満点)の平均点は「3.43(2019年度)→4.00(2020年度)→3.89(2021年度)→4.30(2022年度)」であり、映画教材は有>無、授業形態は対面>遠隔という傾向がみられた。参考として用いた評価項目「教員の熱意」は「4.38(2019年度)→4.68(2020年度)→4.32(2021年度)→4.47(2022年度)」であり、映画教材の有無や授業形態とは無関係に一定しており、全体評価の変動は映画教材や授業形態によるものと判断した。