地域経営学部の講義科目「観光総論」を紹介します。
この授業では観光の基本を学びます。観光の基本概念や旅行業・宿泊業・飲食業等の関連産業、将来の展望等について、ゲスト講師を交えて授業を行っています。授業の到達目標は次の3点です。
①観光に関する基本的な知識を身につけ、説明できる。
②観光には様々な業種があって相互に関連していることを理解し、説明できる。
③観光に関する最近の動向や課題について理解し、自らの意見を述べることができる。
2021年6月1日(火)の授業は「北近畿の広域観光に関する現状と課題について」をテーマにオンライン(Zoom)で実施されました。北近畿広域観光連盟の木村行博事務局長をゲスト講師に招聘し、民間の旅行会社と北近畿広域観光連盟それぞれの業務内容や、過去・現在・未来の観光需要についてお話をいただきました。
木村局長は株式会社日本旅行での勤務を経て、2021年から北近畿広域観光連盟の事務局長として丹後(京都府)、丹波(京都府・兵庫県)、但馬(兵庫県)、若狭(福井県)の各行政機関や観光関連団体、交通業界、旅行会社等と連携してこの地域の観光振興に取り組まれています。
授業では、株式会社日本旅行と北近畿広域観光連盟の業務内容についてご紹介いただきました。
■株式会社日本旅行
拠点(支店)から目的地への団体・個人旅行の営業を中心に事業を展開。コロナ禍において観光関連企業は経営が厳しく、現在では予約方法や事務作業等に類似する部分があるワクチン接種業務など、従来はなかった業務に携わることもある。
■北近畿広域観光連盟
拠点(北近畿以外)から北近畿エリアへの団体・個人旅行への誘客活動を行っている。12市町の観光関連部署(観光課、商工観光課、産業観光課)と連携して、北近畿地域への観光客数の拡大に貢献している。従来は紙媒体のパンフレットによる観光地紹介を中心に誘客活動を行っていたが、コロナ禍ではSNSでの発信を強化し、今後は画像や動画(VR旅行など)を活用した観光地紹介に取り組もうとしている。
→北近畿広域観光連盟の主な対象エリア
北近畿地域の観光の変遷について、鉄道や高速道路網の発達など交通事情による観光需要の変化、外湯めぐり、伊根の舟屋、海鮮料理、但馬牛などが海外からも注目を浴びてインバウンド需要が急拡大したこと、その後オーバーツーリズムにより交通混雑、景観の汚染等の課題が生じたことなどの紹介がありました。
授業の最後には、今後はリモートやオンラインなどを活用して新たな需要の創出や、現在の地域資源に「2050年カーボン排出量0」や「SDGs」などの持続可能な取り組みを加えた魅力発信の必要性など、未来の観光需要についてもお話いただきました。