情報学部の授業科目「地域情報PBL入門」(1年生)を紹介します。
この授業は必修で、17人の教員によるテーマ別のクラスに分かれて行っています。授業の共通到達目標は次の2点です。
①地域情報プロジェクトを実施するための知識を収集する。
②フィールド調査を行い、プロジェクト提案書にまとめる。
黄宏軒教授のクラスは「人間と上手くコミュニケーションをとれるAIをもつ人工物(ロボットやCGアバター)の研究・開発」をテーマに授業が行われています。
2021年5月27日(木)の授業では、音声データの解析で用いるソフトウェア・ツール、「Praat」と「Elan」を使用して演習が行われました。
まず「Praat」を使用し、黄教授が用意した会話シーンのサンプル映像の音声解析を行いました。会話している4人それぞれの発話区間(言葉を発している時間帯)を正確に抽出するために、無音区間の音量や最小区間の長さなどのしきい値(条件分岐の境目となる値)を調節しました。
次に「Elan」を使用し、「Praat」で解析した音声データをもとに、どの場面で誰がどのような発言をしたのか、どのような意図の発話だったのか、どのような役割を果たしていたのかなどのラベル付けの作業を行いました。書き起こした会話内容と映像データに付けたラベルで、場面ごとの状況が可視化できました。
黄教授は「華々しい研究成果の背後には地道な努力の積み重ねが必要不可欠です。研究の基となる会話データの解析はまさにその一つです。退屈で集中力を求められる作業ですが、その後の工程のために根気よく丁寧に正確なデータを作成することが重要です」と話していました。