情報学部の科目「IT実習Ⅲ」を紹介します。この授業は2年生全員の必修授業で、5人の教員によるテーマ別のクラスに分かれて行われています。クラス共通の到達目標は次の4点です。
①テキストや音、画像といったデータがコンピュータ上でどのように表現されるか、およびテキストマイニングやフィルタ適用といった処理の仕組みの概要を理解し、プログラミングによって実際に解析やメディア処理ができる。
②機械学習の仕組みの概要を理解し、特徴抽出や認識・分類などの課題を、機械学習を用いて解決できる。
③上記の機能を有するライブラリを自身のプログラムに組み込み、同様の処理を実行できる。
④結果をまとめたプレゼンテーションや報告書の作成ができる。
2021年5月25日(火)に行われた第6回(全15回)、橋田光代准教授によるクラスは「音の高低や強弱の操作」をテーマに行われました。
まず、音や映像などのマルチメディアを自由に繋ぎ合わせ、制御できるプログラミングツール「Max」を使用し、普段は声によって表現されることの多い言葉(ここでは自分の氏名)を楽器音(ピアノ)で表現する作業を行いました。言葉のアクセントや発音のタイミング、音の高低を操作します。
次に、音の強弱なども意識し「とんてんてん」「とんてけてん」というリズムで発音されるように、プログラムを組んでいきました。「とんてんてん」という音は「とん」「てん」「てん」の3音ですが、「とんてけてん」は「とん」「て」「け」「てん」の4音で構成されており、見かけ上は同じ文字数でもシステム上では表現方法が複雑化するため、「け」の発音のタイミングを工夫する必要があります。
授業で使用されていたプログラミングツール「Max」は、エレクトロミュージックやライブパフォーマンスの演出現場などで長年にわたり活用されています。普段私たちが目にしているアプリやライブなどの裏側にあるシステムの一部に触れ、橋田准教授は「目に見えている表の世界と意識しなければ見ることのできない裏の世界の両方を知ることで、表として見えてくる世界は広がる」と話していました。