イノベーションを創出する起業家輩出の障壁として、2017年度中小企業白書からは、「経営知識の不足」「資金方法の目処がつかない」「事業化の方法が分からない」などがあげられています。NEXT産業創造プログラムは、それら起業を阻む壁を乗り越えるために、「基礎科目」「事例研究型科目」「PBL型科目」の3つのカリキュラムを半年余りに亘って提供してきました。
第3期となる本年度は、関西で唯一福知山市がパブリックメンバーとなるSHIBUYA QWSとの連携を加速し、出張PBLとして3つのイベントを開催。首都圏のQWS会員企業やスタートアップのアイデアをブラッシュアップし、今後の事業提携に向けた繋がりも創出してきました。また、3期続けて実施したクラウドファンディングによるテストマーケティングは、3年間で達成総額累計約500万円、支援者数累計600名超と当初の目標を大きく上回る実績を達成し、各種メディアでも多数取り上げられてきました。
2024年3月2日(土)には、NEXT産業創造プログラムPBL成果報告会及び修了式を本学4号館で開催し、5チームそれぞれが考案した新規事業プロジェクトの成果を報告しました。なお、本報告会には、起業版ふるさと納税を活用し、本事業への使途として福知山市に寄附をされた株式会社ニチゾウテック様をはじめ、福知山市商工会や金融機関、SHIBUYA QWS等からの来賓をはじめ、ゲスト講師である地域企業の経営者、講師、福知山市、本学など関係者と受講生含め総勢70人のほか、オンライン参加11名の参加のもと実施しました。
NEXT産業創造プログラムPBL成果報告会タイトル
※受講生の人数・・・Aチーム:9人、Bチーム:5人、Cチーム:4人、Dチーム:3人、Eチーム:1人(複数のチームに参加する受講生あり)
PBL成果報告会
成果報告会では、本学の西田副学長兼北近畿地域連携機構長から「本日は関係者ならびに市民の方々に、直接、その成果を報告することに意義がある。成長しつづけてはじめて価値が認められる厳しい世界であるが、ともに頑張っていきたい」と開会の挨拶がありました。その後、本プログラムを担当する本学地域経営学部の亀井省吾教授からプログラム概要と本年度の成果等の報告があり、受講生5チームの成果が発表されました。
▲成果報告会での発表
講評者コメント
東京都立産業技術大学院大学 板倉宏昭教授:郵便局のネットワークを活用したテスト販売や脱炭素社会実現を目指す地域ビジネスなど具体的に事業化を追及している点ならびに、地域に根差したSDGs観点での取り組み要素がある点が素晴らしい。この福知山モデルが全国に拡がり、各地域が連携できると、日本全体の産業創造にもつながるのではないか。
株式会社サノス代表取締役 板越ジョージ氏:クラウドファンディングによるテストマーケティングは本年度も一定の成果を挙げたのではないか。これを契機として、スケールする事業となることを期待する。本年度は、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーなど、社会的課題をテーマとしたプロジェクトが増えた印象だ。今後、クラウドファンディングの活用もあれば是非支援させていただきたい。
SHIBUYA QWS 米山孝生副館長:問いを導く上で、使命とはなにか、顧客の価値とはなにかを考えることが益々重要となってきている。本年度は多くの学生参加があった。失敗を恐れずにまずは行動してもらいたい。福知山でできることをもっと経験し次の世代に残してもらいたい。また、活動に当たっては、今後もSHIBUYA QWSを積極的に巻き込んでもらいたい。
▲東京都立産業技術大学院大学 板倉宏昭教授による講評(左)SHIBUYA QWS米山孝生副館長による講評(右)
修了式及び閉会
2023年度の本プログラム修了者は20人となり、修了式では、本学の川添信介学長から受講生に本プログラムの修了証の授与が行われました。修了式後は、福知山産業支援センター ドッコイセ!bizの西山周三センター長から総括を行い、最後に福知山市の前川二郎副市長から閉会の挨拶をいただきました。
▲参加者による記念撮影
▲クラウドファンディング起案チームによる展示:Cチーム(左)産学官連携により開発した満願成就あめ等の展示:Aチーム(右)
各チーム展示ポスター
NEXT産業創造プログラムPBL成果報告会及び修了式チラシ
報道実績
- 20240303京都新聞朝刊〔地域(中丹丹後)20面〕 学生らが取り組みを報告 福知山「産業創造プログラム」発表会
- 20240303京都新聞 京都府福知山市で起業目指す若者のビジネスプラン発表会 新規アイデアが続々と