谷口 知弘 教授
- 専門分野
- 地域政策、コミュニティデザイン、ワークショップ
- 主な担当科目(学部)
- 地域資源論、ソーシャルデザイン、観光まちづくり論
最終学歴 | 京都工芸繊維大学大学院工芸学研究科修士課程意匠工芸学専攻 |
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学位 | 工学修士 |
自己紹介 | デザインの世界に憧れ、大学では工業デザインを、大学院では都市景観について学びました。 弱小零細デザイン事務所に勤務し、プロダクトデザインを中心に営業から設計まで様々な業務を体験した後、1991年より母校の京都工芸繊維大学造形工学科に勤務、デザインの基礎教育と工業デザイン分野を担当。2002年度~2007年度は立命館大学環境・デザインインスティテュート(助教授)、2007年度~2012年度までは同志社大学大学院総合政策科学研究科(教授)にてデザインからまちづくりまで学生とともに地域や企業と協働で研究・実践活動を行いました。2012年春にコミュニティデザイン研究室を起業、地域まちづくりのコンサルタントに従事、2016年春に福知山にやってきました。 |
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- 座右の銘
- Love & Peace
研究の キーワード | 市民参加、協働、コミュニティ・デザイン、フューチャーセンター、地域資源、まちづくり観光、デザインプロセス |
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研究の概要 | 身近な暮らしの環境から、地球規模の環境まで、解決が遅れれば人類の存亡さえ危ぶまれかねない様々な問題が山積した状況に我々は生きています。大量生産、大量消費、大量廃棄に支えられた社会システムの限界を感じつつなすすべもなく立ち尽くす我々がいます。では、持続可能な地域社会の実現が叫ばれる中、どのような政策が必要なのでしょうか。 私は工業デザインと都市デザインを大学時代に学びました。デザインは人々を幸せにすると幻想を抱きデザイン事務所に職を得てノックダウン家具やディスプレー什器、学習デスクなどの製品をデザインしました。デザインした家具が始めて売り場に並んだ時の感激は今でも忘れることができません。しかし、毎年毎年新しい製品をデザインしては今ある道具の価値を陳腐化させ消費者の欲望をかき立てる。そんな、工業化社会の先兵でしかないデザインナーの役割に疑問を感じるようになりました。大学時代に感動したヴィクター・パパネックの「生きのびるためのデザイン」を実践することは容易ではないと知り、デザインの現場から尻尾を巻いて逃げ出し、再び大学に迷い込んだのでした。 そこで出会ったのが「まちづくり」です。たまたま、瀬戸内の港町でサイン計画に参画した際、住民のニーズに無関心な行政の態度に疑問を持ち、皮肉にもユーザのニーズ把握と欲望喚起に腐心する工業デザインのプロセスに解決の糸口を見つけ、市民(ユーザ)参加型でサイン計画を試みたのが運のつきでした。その後、京都で出町桝形通りの石畳整備や嵐山さくらトイレ、鴨川公園出町地区ワークショップ、京都市未来づくり100人委員会など市民参加・協働型のまちづくりプロジェクトに参画しました。その中で、地域社会を支える住民の主体的な活動の重要性を知り、悲喜こもごも繰り広げられる人々の相互作用のおもしろさと難しさに惹かれ、地域社会のデザインへと関心が移っていきました。 地域社会の問題をユーザ(≒生活者・市民)と企業・行政等が協力して解決する協働のまちづくり(コミュニティ・デザイン)により、市民力が高まりソーシャル・キャピタルが醸成され、持続的な問題解決活動につながるとの仮説を立て「Tシャツからまちづくりまで」をキャッチフレーズに学生や地域の方々と共に研究・実践中です。 |
研究テーマ |
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所属学会 | 日本ソーシャル・イノベーション学会、コミュニティ政策学会、日本建築学会 |
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福知山市や三たん地域を歩いて、見て、食べて、話を聞いて、まずは地域の魅力を発見する探険からはじめ、埋もれし地域資源を引き出し社会とつなぐ価値の再生、あらたな価値創造の手助けができればと思います。何より人々が機嫌良く暮らせる地域社会づくりに貢献できることができればと願っています。